調布市には多摩川や神代植物公園などの豊かな自然の恵みに加え、深大寺、布多天神社など由緒ある寺社も多く、さらに実篤公園・記念館、調布飛行場などの見どころも随所にあります。
ちょうふ八景は1985年(昭和60)に、市制30周年を記念して、調布市内の自然、史跡などの中から、特に市を代表するものとして市民に選ばれたものです。
1-1.深大寺~武蔵野の水と緑と寺とそば~
豊かな緑と湧き水に恵まれ、武蔵野の原風景を色濃く残す一角に立つ、関東屈指の天台宗の古刹です。
江戸時代に書かれた縁起によると、733年(天平5)に満功上人が開創したといわれています。
2017年(平成29)に国宝に指定された「銅造釈迦如来像」(白鳳仏)や国の重要文化財である梵鐘など貴重な寺宝を安置しています。
門前には名物の深大寺そばの店とみやげもの店が並び、3月3日・4日のだるま市は大変な賑わいとなります。
調布市深大寺元町5-15-1
1-2.都立神代植物公園
武蔵野の面影が残る広さ48万平方メートル余りの広大な公園です。もともとは苗圃でしたが、戦後、神代緑地として公開された後年1961(昭和36)に神代植物公園と改められ、都内唯一の植物公園として開園しました。園内には、花園と、芝生広場や雑木林そして大温室や植物会館があり、植物は約4,800種、10万株にのぼります。
園内の一部は、「国指定史跡深大寺城跡」となっています。
調布市深大寺元町5-31-10
常性寺は鎌倉時代の創建といわれ、もとは多摩川沿いにあったとされましたが、慶長年間(1596~1614)に現在地に移築されたと言われています。本堂のほか、境内には不動堂、薬師堂があり、とくに不動堂には成田山不動尊の分神をまつり、布田のお不動さんとして、広く近在の人々にも信仰され、毎月28日の不動尊縁日には護摩たきを行っています。
調布市国領町1-2-8
國領神社は1963年(昭和38)、八雲台小北裏にあった第六天社と現在地にあった神明社を合祀して新社殿を造営し遷座しました。境内の大木の藤は初夏5月に華麗な花を咲かせます。
調布市国領町1-7-1
多摩川は玉川とも書かれ、名のように清澄で豊かな流れの川でした。古くは万葉集の東歌に玉川の武蔵の里の布さらし風景が詠まれています。
昔から人々の暮らしを支えた多摩川は、近世、近代を通じて飲み水や農業用水として大切な役割を果たしてきました。また、奥多摩地方から材木の筏流しなどが行われ、大正期には調布に筏宿がおかれました。鮎漁もさかんで、江戸幕府にも毎年献上され、明治ごろからは鵜飼漁が行われました。
1916年(大正5)に京王線(調布駅から多摩川原駅(現在の京王多摩川駅)間)が開通、1927年(昭和2)に京王閣が完成すると多くの観光客が調布の多摩川に訪れるようになりました。
調布の風物詩となった多摩川での花火は、1933年(昭和8)に始まりました。戦争や京王相模原新線建設工事によって2度の中断がありましたが、1982年(昭和57)に「調布市花火大会」として復活しました。多摩川の夜空をバックに繰り広げられる音と光のショーは、年々スケールアップし、今や都内でも大きな行事の一つにまで発展しました。
(注)2020年(令和2)から2022年(令和4)は新型コロナウイルス感染症の影響で開催中止。
白樺派を代表する作家の武者小路実篤が、1955年(昭和30)から死去する1976年(昭和51)まで住んだ屋敷跡を調布市が記念公園として1978年(昭和53)に開園したものです。公園は約5,000平方メートルで、園内は木立の中に湧水と大小の池があり、武蔵野の面影を色濃く残しています。
公園内の旧武者小路実篤邸は、2018年(平成30)11月に国の登録有形文化財に登録されました。土曜日・日曜日と祝日の午前11時00分~午後3時00分に内部公開を行っています。(雨天中止)
調布市若葉町1-23-20
月曜日(祝日のときはその翌日)(翌日が祝日のときはその翌日)
年末年始(12月29日から1月3日)
(注)休園日は実篤記念館に準じます。
記念館は調布を終焉の地とした武者小路実篤の業績を顕彰して、1985年(昭和60)10月に開館しました。
記念館は実篤没後、遺族から寄贈された資料を中心に展示、公開するとともに、関係資料の収集、保存、研究などを行うことを目的として、公園の隣接地に設置されたものです。観覧室は自由に利用できます。
調布市若葉町1-8-30
午前9時00分~午後5時00分
休館日は月曜日(月曜日が祝日の場合は翌日)、年末年始
大人200円 小中学生100円 65歳以上無料
新選組局長の近藤勇は、1834年(天保5)多摩郡上石原村辻(現在の調布市野水)の宮川久次郎の三男(幼名宮川勝五郎)として生まれました。そして15歳で天然理心流近藤周助に入門、翌年に理心流の目録を得て周助の養子となり近藤姓を名のることになりました。
宮川家の屋敷は、戦時中に調布飛行場に隣接しているため取り壊され、現在は屋敷の東南隅に勇が産湯に使った井戸が残るのみですが、1977年(昭和52)4月に、生家跡を市史跡として保存しています。
調布市野水1-6
草原と雑木林に覆われた約40万平方メートルの広大な緑地公園です。辺り一帯が自然保護区になっており、何種類もの野鳥や昆虫・野草の観察が楽しめます。園内にはこのほか、クヌギ、コナラ、ケヤキなどの雑木林が緑陰をなす芝生公園、テニスコート、アスレチックなどがあります。
調布市野水1・2丁目、三鷹市大沢2・3・6丁目、小金井市東町1丁目
調布駅北口から
京王バス(14番のりば)武蔵小金井駅南口行き「野川公園一之橋」下車
陵山といわれる小高い丘を二分して老樹に囲まれた高所に糟嶺神社、低所に明照院があります。
糟嶺神社は農業の神・糟嶺大神(かすみねのおおかみ)を祀るかつての村社であり、社殿は多摩郡の四つの墳陵の一つといわれる、高さ3.94メートル、根廻り127メートルの墳陵の上に建っています。
調布市入間町2-19-13
明照院は16世紀中旬に開かれた天台宗の寺で正面に提灯のさがる本堂のほか、観音堂、えんま堂そして整備された庭には地蔵尊・六地蔵巡拝供養塔などがあります。
調布市入間町2-19-12
布多天神社は、少彦名命(スクナヒコナノミコト)と菅原道真を祭神としており、神社の本殿や太閤秀吉の制札、狛犬は市の指定文化財になっています。
また、毎月25日にある例祭では神楽の奉納が行われ、参道には市が立ち並び、天神の市として親しまれています。
調布市調布ケ丘1-8-1
京王線調布駅下車 徒歩5分
八幡様の祭神は応神天皇の皇子仁徳天皇を祭神とするため若宮八幡と呼ばれ、近藤勇が生まれた上石原村の鎮守様として、人々に親しまれています。
総檜造りの本殿は、こけらぶき一間社流造り、そして全体にわたる精巧な彫刻がみごとで、優美で格調高いものであり、1967年(昭和42)に市の指定有形文化財に登録されています。
神社の周辺は「はけの緑」に覆われ、上石原鎮守の森は、古くから里人が自慢したといわれる景観です。
調布市下石原3-5-1
京王線西調布駅下車 徒歩6分